床矯正とは、歯列矯正治療の中でも、保存の立場に基づき、顎を広げて歯を並べる歯を抜かない矯正治療をいいます。矯正に用いる装置は取り外しも可能です。
床矯正は、子どもの頃・できる限り早く矯正治療はじめることで、歯を抜かずに歯並びを治すことができることができます。早くはじめられた方が適用となる症例も幅広いことが多いです。
治療は、矯正装置をお口に入れることができる小学校1~2年生くらいから開始することができます。お子様の場合は、矯正装置をつけ始めて3か月目くらいから、ご自身でも歯並びの変化に気がつくことが多いです。
床矯正では、さまざまな不正歯列をキレイな歯並びに治すことができます。ただし、お口の中の状態や年齢によっても異なります。
●上顎前突(出っ歯)
前歯が飛び出している。
●反対咬合(受け口)
通常は上の歯が下の歯に被っているが、逆になり、上下の3本以上反対になっている。
●叢生(そうせい)
歯が重なって生えている。ガタガタ・デキボコしている。
叢生は一般に「乱ぐい歯」「八重歯」と呼ばれています。
●開咬(かいこう)
上下の歯をかみ合わせても一部がかんでいない。開咬は、お子様によっては、「指を咬む」「舌を咬む」などのお口の悪い癖を治すことで、歯並びがキレイに治ることもあります。
●すきっ歯(=正中離開・せいちゅうりかい)
真ん中の前歯の2本の間が開いている。
●生える位置が正しくない
とんでもないところから歯が生えてきてしまったり、永久歯の生えるスペースがなくなってしまったりしている。
●下顎の後退
かむ筋肉が正しい動きをしておらず、顎の関節が後ろに後退している。
●過蓋咬合(かがいこうごう)
かみ合わせが深く、前から見ると下顎の前歯が見えない。
床矯正の最大のメリットは、やはり歯を抜かずに済む可能性があることだと思います。症状によって床矯正で対応が難しい場合は、一般矯正をご紹介しております。
メリット
- 歯を抜かずに矯正治療ができる
- 痛みが少ない
- 取り外しができ、歯磨きがしやすい
- 一般的なワイヤー矯正に比べ費用が安い
デメリット
- 取り外しができるため、装置を装着しないと治療の効果が出ない
- 本人のやる気に左右されてしまう
- 矯正装置に慣れるまで、話しにくい
当院では、子どもの患者さんについては、歯科検診や治療にいらした際に歯科相談を受け付けています。矯正治療のことや、その他、お口や歯に関するお悩みはお気軽にお尋ねください。
当院では、これまで多くの患者さんの床矯正治療を経験してきました。床矯正の治療は、症状にもよりますが、早期治療ならば10万円前後から治療可能です。また、装置の取り外しができます。そのため「とりあえず一度試してみる」というお気持ちで初められる患者さんもたくさんいらっしゃいます。
ご相談いただけましたら、これまでの体験談や患者さんのお口の状態にあわせて治療法や費用をお話しています。治療に進むかどうかは、お話を聞いたうえで、考えてみてもらえれば幸いです。